船橋市のワクチン供給の推移と今後の見通し(独自)
船橋市が公開した供給量と厚労省が発表している「基本配分計画」から、国からのワクチン供給の推移と今後の見通しについてまとめた。
なお、データは市や厚労省がそれぞれリンク先のページで公表しているものを、ヘラルド船橋で計算・集計したもの。
目次
船橋市のワクチン供給の現状
これまでの市へのワクチン供給状況は次の通り。なお、市が「ワクチン供給状況」として示しているのはワクチン入荷時期と接種可能人数(累計)だけであり、接種可能回数や箱数はヘラルド船橋で独自に計算、集計した。
下表からは、5月には大量にワクチンが入荷して大幅に接種可能な人数が増えたものの、6月以降そのペースが大きく鈍化していることがわかる。(なお、第9クールについては現時点も含まれるため、今後も入荷して増加する可能性がある。)
ワクチン入荷時期 | 令和3年4月19日~ | 令和3年4月26日~ | 令和3年5月10日~ | 令和3年5月24日~ | 令和3年6月7日~ | 令和3年6月21日~ | 令和3年7月5日~ |
---|---|---|---|---|---|---|---|
クール数 | 第3 | 第4 | 第5 | 第6 | 第7 | 第8 | 第9 |
接種可能人数(累計) | 975 | 14,625 | 62,010 | 108,810 | 116,415 | 127,530 | 153,855 |
接種可能回数(累計) | 1,950 | 29,250 | 124,020 | 217,620 | 232,830 | 255,060 | 307,710 |
接種可能回数 | 1950 | 27300 | 94770 | 93600 | 15210 | 22230 | 52650 |
箱数(1箱1170回分) | 2(※) | 28(※) | 81 | 80 | 13 | 19 | 45 |
※箱数は、4月分については1箱975回分で計算。ワクチンは1箱に195バイアル入っていて、1バイアルあたり注射器により5回接種か6回接種ができる。当初は5回接種(195バイアル×5=975)、5月以降は6回接種(195バイアル×6=1170)で計算。
厚労省の「基本配分計画」の推移
厚労省は、市町村がワクチン接種の計画が立てられるよう、およそ2クール(4週間)ごとの配分計画を示している。これまで公表された「基本配分計画」は次の通り。
この第12クールまでの、厚労省の配分計画を表にまとめると次のようになる。なお、第5クール(5/10~)までの数量は、船橋市側の接種可能回数(累計124,020回)と一致しており、特に問題はみられない。
入荷時期 | 5/24~ | 6/7~ | 6/21~ | 7/5~ | 7/19~ | 8/2~ | 8/16~ |
---|---|---|---|---|---|---|---|
クール数 | 第6 | 第7 | 第8 | 第9 | 第10 | 第11 | 第12 |
箱数(計画) | 51 | 53 | 53 | 39 | 38 | 39 | 39 |
実供給数 | 80 | 13 | 19 | 45 | |||
計画差異 | +29 | -40 | -34 | +6 |
第6クール以降、計画と実供給数が大きく乖離
問題は表で示した第6クール以降である。第6クールは予定を29箱上回ったが、逆に第7クールは予定を40箱も下回り、わずか13箱しか船橋市に入荷していない。計画の約1/4である。続く第8クールも計画の約1/3である19箱しか入荷しなかった。
第9クールはようやく計画を上回る箱数が供給された。ここまでを計算すると、第8クールまでに届く予定だった箱数(157箱)が、ちょうど第9クールまでに入荷したことになる。
1クール(2週間)分、供給に遅れ
このことから、ちょうど1クール分供給に遅れが生じていることになる。なお、8月以降は毎クール39箱前後で推移する予定となっており、国も在庫がひっ迫していることから大きな上積みは期待できない。
よって、今後の船橋市の接種計画は約2週間の遅れが生じるものと推測される。7/15に集団接種の受付を停止したことから計算すると、7/29前後には予約の受付を再開できると思われる。(予約枠を絞ってもう少し早く再開することもあり得るが。)
再開後も接種ペースはダウンの可能性
また集団接種が再開されても、接種ペースはダウンを余儀なくされると思われる。8月以降は毎クール39箱来る予定になっているが、1箱1,170回接種できるとすると、39×1170=45,630回分となる。これを1日あたりの接種回数に直すと、約3,260回となる。
現在1日あたり7,000回前後の接種が行われているが、上記計算から、8月以降は接種数の半減が予想される。
年内に接種が終わらない計算に
今後もワクチンの入荷量がほぼ一定と仮定すると、54歳以下の接種対象者全員(427,087人)に接種が1回完了するのに約131日かかる計算。ワクチンは2回接種しなければならないため、理論上この2倍の約262日かかる見込みとなる。
ワクチンの供給量が現在の計画の2倍になって、ようやく12月中に接種が終わる計算となっている。これ以上の流行や病床のひっ迫を抑えるためにも、ワクチン供給の回復を期待したい。
https://herafuna.com/%e8%88%b9%e6%a9%8b%e5%b8%82%e3%81%ae%e3%83%af%e3%82%af%e3%83%81%e3%83%b3%e4%be%9b%e7%b5%a6%e3%81%ae%e6%8e%a8%e7%a7%bb%e3%81%a8%e4%bb%8a%e5%be%8c%e3%81%ae%e8%a6%8b%e9%80%9a%e3%81%97%ef%bc%88%e7%8b%ac/https://herafuna.com/wp-content/uploads/2021/07/e30929a0a0ec050208a4c0e01ed65088.pnghttps://herafuna.com/wp-content/uploads/2021/07/e30929a0a0ec050208a4c0e01ed65088-150x150.png新型コロナワクチン接種最新情報コロナワクチン,ワクチン,ワクチン供給,ワクチン接種船橋市が公開した供給量と厚労省が発表している「基本配分計画」から、国からのワクチン供給の推移と今後の見通しについてまとめた。 なお、データは市や厚労省がそれぞれリンク先のページで公表しているものを、ヘラルド船橋で計算・集計したもの。 船橋市のワクチン供給の現状 これまでの市へのワクチン供給状況は次の通り。なお、市が「ワクチン供給状況」として示しているのはワクチン入荷時期と接種可能人数(累計)だけであり、接種可能回数や箱数はヘラルド船橋で独自に計算、集計した。 下表からは、5月には大量にワクチンが入荷して大幅に接種可能な人数が増えたものの、6月以降そのペースが大きく鈍化していることがわかる。(なお、第9クールについては現時点も含まれるため、今後も入荷して増加する可能性がある。) ワクチン入荷時期令和3年4月19日~令和3年4月26日~令和3年5月10日~令和3年5月24日~令和3年6月7日~令和3年6月21日~令和3年7月5日~クール数第3第4第5第6第7第8第9接種可能人数(累計)97514,62562,010108,810116,415127,530153,855接種可能回数(累計)1,95029,250124,020217,620232,830255,060307,710接種可能回数1950273009477093600152102223052650箱数(1箱1170回分)2(※)28(※)8180131945船橋市のワクチン供給状況 ※箱数は、4月分については1箱975回分で計算。ワクチンは1箱に195バイアル入っていて、1バイアルあたり注射器により5回接種か6回接種ができる。当初は5回接種(195バイアル×5=975)、5月以降は6回接種(195バイアル×6=1170)で計算。 厚労省の「基本配分計画」の推移 厚労省は、市町村がワクチン接種の計画が立てられるよう、およそ2クール(4週間)ごとの配分計画を示している。これまで公表された「基本配分計画」は次の通り。 4月30日発表(~第8クール:6月分まで)6月4日発表(第9・第10クール:7月分)7月7日発表(第11・第12クール:8月分) この第12クールまでの、厚労省の配分計画を表にまとめると次のようになる。なお、第5クール(5/10~)までの数量は、船橋市側の接種可能回数(累計124,020回)と一致しており、特に問題はみられない。 入荷時期5/24~6/7~6/21~7/5~7/19~8/2~8/16~クール数第6第7第8第9第10第11第12箱数(計画)51535339383939実供給数80131945計画差異+29-40-34+6厚労省の供給計画数と実供給数 第6クール以降、計画と実供給数が大きく乖離 問題は表で示した第6クール以降である。第6クールは予定を29箱上回ったが、逆に第7クールは予定を40箱も下回り、わずか13箱しか船橋市に入荷していない。計画の約1/4である。続く第8クールも計画の約1/3である19箱しか入荷しなかった。 第9クールはようやく計画を上回る箱数が供給された。ここまでを計算すると、第8クールまでに届く予定だった箱数(157箱)が、ちょうど第9クールまでに入荷したことになる。 1クール(2週間)分、供給に遅れ このことから、ちょうど1クール分供給に遅れが生じていることになる。なお、8月以降は毎クール39箱前後で推移する予定となっており、国も在庫がひっ迫していることから大きな上積みは期待できない。 よって、今後の船橋市の接種計画は約2週間の遅れが生じるものと推測される。7/15に集団接種の受付を停止したことから計算すると、7/29前後には予約の受付を再開できると思われる。(予約枠を絞ってもう少し早く再開することもあり得るが。) 再開後も接種ペースはダウンの可能性 また集団接種が再開されても、接種ペースはダウンを余儀なくされると思われる。8月以降は毎クール39箱来る予定になっているが、1箱1,170回接種できるとすると、39×1170=45,630回分となる。これを1日あたりの接種回数に直すと、約3,260回となる。 現在1日あたり7,000回前後の接種が行われているが、上記計算から、8月以降は接種数の半減が予想される。 年内に接種が終わらない計算に 今後もワクチンの入荷量がほぼ一定と仮定すると、54歳以下の接種対象者全員(427,087人)に接種が1回完了するのに約131日かかる計算。ワクチンは2回接種しなければならないため、理論上この2倍の約262日かかる見込みとなる。 ワクチンの供給量が現在の計画の2倍になって、ようやく12月中に接種が終わる計算となっている。これ以上の流行や病床のひっ迫を抑えるためにも、ワクチン供給の回復を期待したい。herafuna aki_0317@yahoo.co.jpAdministratorヘラルド船橋